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ピケティの「21世紀の資本論」について [Marketing]

 「21世紀の資本論」に対する批判と、逆立場からの擁護と、2つの論争の記事がなかなか興味深かったです。

「ピケティの命題に対するもっと有力な批判は、彼の減価償却の扱いに関するもので、ラリー・サマーズとマット・ランリーによって提起された問題だ。
 放置すれば時とともに増大する減価償却費に対処する必要性は、ほとんどの経済モデルにおいて安定成長経路を縛り付ける鍵となる要素であり、資本主義経済の本質的な不安定性というピケティの主張について私が困惑する理由の一つでもある。」

◆ジェームズ・ハミルトン「ピケティへの批判」
http://econ101.jp/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%9F%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%B3%E3%80%8C%E3%83%94%E3%82%B1%E3%83%86%E3%82%A3%E3%81%B8%E3%81%AE%E6%89%B9%E5%88%A4%E3%80%8D/

 「21世紀の資本論」の主題である「本来は、r=g であるべきなのに、現実には、 r>g になっているのか」については、悲しいかな、そもそも「資本主義が、重商主義の流れから生まれた」からですよね。

 当時、イギリスの新興の資本家階級を中心として、資本主義社会へと移行していったので、人間の性として、自分たちに有利になるような仕組み・システムにしたからで。

 当時の資本家階級が「自分たちだけ儲けずに、労働者と平等にしよう」という崇高な自己抑制思考を持っていたら、違っていたでしょうけれども。

 そのような歴史から「資本の本源的蓄積」が進んだわけで。
 ヘミングウエイの「持てる者と持たざる者」ですね(笑)

 その後「独占資本主義」に継承され、さらに「金融資本主義」へと進展し、富の一部独占が守られていると。
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“ビジネス的観点” からの「真理」を考えてみる [Marketing]

 最近、(特にネットで)、いろんな人が、それぞれに、好き勝手なことを言うのを見かける機会が増えました。

 その「どんな意見であっても、拡散される可能性がある」という状況は、まさに「ソーデャルメディア社会」ならでは、ですね。

 個人が「情報発信者」、場合によっては「メディア」にもなり得る、という象徴的な事象です。

 たくさんの「賛同」を得ることもあれば、「炎上」することもあり、それぞれ、ひきこもごもの影響、結果が生じているのを、みなさんもよく見かけると思います。

 そのような「混沌」とした、意見・批判・感想・賛成・反対の渦巻く中、それらの反響に、右往左往してしまっている人たちも、多く見かけるようになりました。

 なぜ「それらの意見」の度に、自分が「右往左往してしまうのか」と言えば、自分の中に、その事象・思考に対する「明確な軸がない」からですね。なので、人の意見や指摘がある度に、右往左往してしまいます。

 では、人の意見や指摘に、右往左往しない、明確な、自分の「確信」というものは、どうしたら得られるのでしょうか。

 自分の場合は、「真理を得る」ということで、それらに対応する術を見つけました。
 その「軸」さえ持てれば、誰が何を、どう言おうと、揺らされたり、振り回されたりすることもなくなります。

  「真理は必ず存在する」わけですし、「真理」の前には、何人たりとも抗うことはできないからです。

 自分の中に、その「真理にもとづく確信」があれば、誰が、どんなことを、どのように言っていようと、まったく意に介さずにいられます。

 人間は、いろいろな場面における「心の揺らぎ」によって苦しめられるものですが、この「真理」を、常に頭の中に置いておけば、揺らぐことのない「定義」を礎にさえしていれば、心が不安や悩みで揺らぐこともありません。

 迷ったり、悩んだり、いつまでも「物事を決められない」ということもありません。
  「心の揺らぎがなくなれば、苦しみもなくなる」とも言います。

 自分は、自分をその状態に持っていきたい、と常に考えています。

 それでは「真理」とは、なんでしょうか?

<真理【truth】>
「いつ、どんな時にも変わることのない、正しい物事の筋道、真実の道理」と、辞書にも載っています。

「定義が揺らぐことのない、普遍的な事象・思考」をわかりやすく分解すれば、

1.どれだけ時間が経過しても変わらない

2.誰にとっても、揺るぎない定義

3.いかなる場所・空間・次元によっても変わらない

事象、思考ですね。

 100年経とうが、1000年経とうが、「真理」は「真理」のままであり、「定義」が簡単に揺らいでしまうようなものは「真理」とは呼ばない、ですね。

 アリストテレスは「思考と存在が一致することが真理である」としました。
 Aという実体が存在する時、「実体Aは存在する」という命題は真であり、「実体Aは存在しない」という命題は偽である。

 逆に、存在しない実体Bについて、「実体Bは存在しない」という命題は真であり、「実体Bは存在する」という命題は偽である。

 デカルトは、理性的な判断をするための「4つの規則」を提唱し、これに基づいて「明晰かつ判明だと判断されたものを真理と呼ぶ」としました。

 デカルトは、たったこの4つの規則を守るだけで、どんなに難しく、どんなに遠い「真理」にも到達できる、としました。

<デカルトの4つの規則>

1.明らかに真実であると認められない限り、真実であると受け止めない。
 そして注意深く、即断と偏見を避け、疑うことができないほど、明白に、はっきりと定義づけられて( clairment et distinctement)、自分の精神に現れてくるもの以外は、何物も判断に取り入れないこと。

2.吟味する問題を、できる限り多く、その問題を解決するために必要な数の小部分に分割すること。

3.もっとも単純で最も認識しやすいものから考察を始め、もっとも複雑で最も認識しにくいものに向かって、少しずつ段階を踏んで高めていくこと。
 自然のものでも、順序を持たないものでも、順序を考えながら考察していくこと。

4.何1つ、見落とすことはなかったと確信できるほど、完全なディテールと、俯瞰からの、全般にわたる再点検を、あらゆるケースを考えて行うこと。

 このように考えていくと、「真理かどうかを見極める」のは、実は簡単なことで、例えば、次のような「判断基準を(自分の中に)構築していけば良い」のだということがわかります。

1.すでに「明白な事実となっていること」を拠り所にする。

2.「明白な事実」となっていることに対する「異論」は、無視して良い。(どれだけ説得力があろうが、おもしろい説であろうが、キャッチーな極論であろうが、それらは「真理」ではない。)

3.「明白な事実」となっているものを拡げていく、新しい「真理かもしれないとも思われる新説」については、

(1) それまでの「事実」と矛盾するところがないか

(2) 細部にわたって完全なディテールが構成されていて、俯瞰から見た、全体的なロジック構成に、いかなる破綻もないか

といったことを「細分化」し、「順序立てて」考察していけば、いかなる「複雑で認識しにくいもの」であっても、それが「真理と言えるかどうか」という判断はできることになります。

「真理なきところに、聞くべき、何ものの価値もない。」by Virai

「真理はすべて、ひとたび発見されれば、たやすく理解される。問題はそれを発見するということにある。」by ガリレオ・ガリレイ


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「ブランドの創造とは何か」を考えてみる [Marketing]

 「ブランド」とは何でしょうか。何が「ブランド」になるのでしょうか。

 どうしたら「ブランド」を作り上げることができるのでしょうか。

 同様に「ブランド化する」という表現もよく見聞きします。これはどういうことでしょうか。

 どうすれば「ブランド化する」ことができるのでしょうか。

 「ブランドとは何か」を考えるとき、「ブランド」にはさまざまな「評価要素」が関わっているということがわかります。

 それは、例えば「正確さ」「精度」「高い品質」「美しいデザイン」「安全性」「信頼性」「信用度」などであり、それらが「高い評価を得る」ことで、作り上げられていきます。

 そのような「評価要素」は「ブランド」によって異なるので、それぞれのブランドの持つ「強み」と言われるわけですね。

 「強み = 評価要素」ということですね。

 それらの「強み = 評価要素」を、常に「高いレベルで維持し続ける」ことによって、それぞれの「評価要素」が「ブランド化」していきます。

 そのような「高い評価要素」を「高い次元で維持し続ける」ことは、「誰にでも簡単にできることではない」ので、そこに高い「評価 = 価値」が認められ、誰もが認める「ブランド」となっていくわけですね。

 つまり「ブランド = 価値」ということですね。

 高い「価値」には、高い「対価を支払う」理由を「認めさせる力がある」ということになります。

 その「高い価値」を「高いレベルで維持し続ける」には、目先の利益にとらわれない「高い志」、高いレベルで維持し続ける「継続力」、困難に直面しても簡単には諦めない「胆力」が必要となります。

 以上をまとめると、「自分の持つ強み = 評価要素」を「高い志、継続力、簡単に諦めない胆力」によって「常に高いレベルで維持し続ける」ことで、強力な「ブランド」に成長していく、「ブランド化していく」ということになりますね。

 そのような「ブランドを作り上げる」ことは、並大抵のことではないわけですが(だからこそ価値が高いわけですが)、自分なりの「ブランド」を作り上げていきたいものです。

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「事業の成功とは何か」を考えてみる [Marketing]

 自分が期待する成果と、同等以上の成果を出し続けることが「成功」とするならば、「思い通りに物事が進められるか」という点と、そのマネジメントによって生み出された成果が「思った以上の評価を得ることができた」ということが「成功」になります。

 1つ目の「成果を出すこと」については、ドラッカーが言うところの、

 「成果とは何かを理解しなければならない。成果とは百発百中のことではない。百発百中は曲芸である。成果とは長期のものである。」

 「成果とは打率である。弱みがないことを評価してはならない。そのようなことでは、意欲を失わせ、士気を損なう。人は、優れているほど多くの間違いを犯す。優れているほど新しいことを試みる。」

ということなのだと思います。

 次に、「成果をあげるための秘訣」とは、これもドラッカーが言うところの、

 「成果をあげる秘訣は、集中である。成果をあげる人は最も重要なことから始め、しかも1度に1つのことしかしない。

 自らの強みを重要な機会に集中する必要を認識する、それ以外に成果をあげる方法はない。

 自らの強みが異常なほどに大きな成果を生む分野に集中しなければならない。

 1つの分野において卓越することはできる。成功するには、この1つの分野における卓越性に加えて、多くの分野において並み以上でなければならない。」

ということでしょう。

 そして、3つ目の「評価を得る」については、同じく、

 「予期せぬ成功は、市場が高く評価し、喜んで支払いを行ってくれるものを明らかにする。

 それは、リーダーの地位を得るために必要な優位性の存在を教える。

 他方、予期せぬ失敗は、市場の変化、あるいは自らの能力の低下を教える。」

ということなのだと思います。

 あとは「どれだけ事前に、失敗しそうなリスクを見出し、そのすべてを取り除く努力、マネジメントを実行できるか」ということではないかと思うのです。

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「人が集まる」ことで「事業が成功すること」を考えてみる [Marketing]

 「人が集まる」には、その理由がありますね。

 「人が集まる」のは、そこに「価値」を見い出すからです。(「価値のない」ところには、人はわざわざ集まりません。)

 「価値」というのは、人によって異なりますので、「どんな価値観を持ったの人を集めたいのか」ということもありますし、「人を集める方法は一通りではない」ということにもなります。

 人が集まる「価値とは何か」を考える時、実際に「人が集まっている」ものを参考にすれば、「どんな価値に対して、どんな人が集まっているのか」を知ることができます。

 そのため自分は、あらゆる「人気がある」ものに対して、必ずそれぞれの「価値」を確かめるようにしています。(TV番組でも、映画でも、音楽でも、本でも、アートでも、イベントでも、...etc.)

 その中から、自分自身が集めたい人々にとっての「価値」はどんなもので、それに対して「何を自分が提供できるのか」ということだと思います。

 提供できる「価値」が1つであった時、その1つの「価値」に反応する人が集まります。(「役に立つ」とか、「便利」だとか、「ラクができる」とか、「楽しい」とか、「所有したい」とか、「何かを実感したい」とか、「自分が何かに貢献したい」とか、「人々と共感し合いたい」とか、「おもしろければなんでもいい」とか(笑))

 そのサービスで提供する「価値」が増えていけばいくほど、多くの人がそれぞれの「価値」に反応するようになるので、より多くの人が集まることになります。

 例えば「ディズニーリゾート」には、とんでもない人数が、安定的に集まり続けます。この人たちは、そこにどんな「価値」を見い出しているのでしょう。どうして集まってくるのでしょう。しかも相当な対価を払ってまで。

 「ディズニーリゾート」に見い出す「価値」も、人それぞれ、異なるはずです。

 「非日常性」なのか、「楽しい雰囲気」なのか、「仲間と楽しく過ごしたい」なのか、「女性的な(キャラクターを含めた、ディズニーならではの)かわいらしさ」なのか、「きれいな建物、造形」なのか、「アトラクション(乗り物)」なのか、「イベント(△△パレード)」なのか、「ホスピタリティ」なのか...etc.

 ディズニーのように、人によってそれぞれ異なる、多種多様な「価値」を提供することで、それぞれに反応する、多種多様な人々を集め、その「価値の深さ」によって、より多くのリピーターを生み出す、ということになります。

 薄い「価値」ですと、1度味わって終わり(1回で十分)になってしまいますので、さらに再投資して、さらなる(新たな)「深い価値を提供し続ける」ことが、事業の長期的な成功につながります。

 「自分は、どんなタイプの人たちに対して、どんな「価値」を提供できるのか」を考えていけば、おのずと「自分が提供できる「価値」、提供可能な範囲・種類」などが、見えてくるのではないかと思います。
タグ:集客 価値 共感
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インバウンド・マーケティングのまとめ [Marketing]

 ブライアン・ハリガン &ダーメッシュ・シャア著「インバウンド・マーケティング」のまとめです。



 アウトバンド・マーケティングとインバウンド・マーケティングの違いは、マスメディアを使ったPRと真のパブリック・リレーションズとの違いである。

 選択権を常に顧客が握っている現代において、インバウンド・マーケティングは、「対話の時代」におけるマーケティングの正しいアプローチであり、

◇情報、方向性、洞察を求める人と提供・サポート側とをつなぐ架け橋となる
◇コンテンツを制作し、最適化し、フォロワーを獲得していく
◇顧客とのコミュニティを造成し、最適化する
◇情価値の高いコンテンツに基づいた「見つけやすさ」を実現する

ことである。

 大金をはたいて大規模なプロモーションを展開し、見込み客に押し売りする時代は終わった。
 Webはすべての情報をフラットにする。Webは究極の実力社会であり、新参者にも大きな参入機会が与えられる。
 インバウンド・マーケティングの計画は、広告予算の大きさではなく、頭脳の大きさによって決まる。

■売上を上げるしくみを構築する
 提供側からの一方向からしか流されないWebではなく、ハブとすべきである。
 自社のWebサイトにエネルギーを注ぎ込むのではなく、自社以外のWeb(SNS、コミュニティ)に注ぎ込むべきである。
 自社のWebサイトに流れ込んでくるトラフィックを太く、数多くし、自社サイトがハブ化すれば、巨大なネットワークが作り上げられ、生きたWebとなる。

 インバウンド・マーケティングの重要な要素は、

◇情報更新力
◇魅力的なコンテンツ
◇広大なトラフィックの獲得(入口の数>SEO、外部リンク数、ソーシャルメディアのフォロワー数、ブログやメルマガの登録者数)
◇突き抜けた商品・サービス(ユニーク、注目に値する、他者が追随できない、平凡なものは伝搬しない)

である。

 それらによって「見込み客から簡単に見つけられるサイト」に成長していく。
 そうしながら、業界全体の情報集積地「オンライン・ハブ」を目指すべきである。

■取るべき具体的な手法とは

◇定期的なブログ更新
◇アンカーテキストになりそうなキーワードの選定
◇魅力的なタイトル(コピーライター)伝搬されそうな記事タイトル
◇ブログコメントを通してのコミュニケーション
◇高品質なコンテンツ提供(継続し続けることで、人々に伝搬され、外部リンク数が飛躍的に高まる。高品質な耐久資産として半永久的に見込み客を誘導してくれる)
◇有力ブログへのコメント(良いコメントが別の見込み客を誘導する)
◇トライアルを繰り返して育成率を最大化する
◇マーケティング・ファネルの作成(すべての見込み客をランク分けし、優先度をつけ、質の低い見込み客の育成を図る)
◇ファネルの入口に大量の見込み客を誘い込み、ファネルの出口から「リアル顧客」をアウトプットする

■ユーザーレベルの変遷
 対象消費者のレベルは次のような変遷をたどることになる。

期待客 → アプローチ可能客 → 担当者との交流がある機会客 → 実際に購入した顧客

■魅力的なWebサイトとは
 ユーザーにとって「魅力的なサイト」とする主要な要素は、次のものとなる。

◇使いやすい(次に取るべき行動が提示されている)
◇魅力的なオファー(無料コンサル、デモンストレーションなど)
◇行動喚起ボタンと、その気にさせるキャッチーなメッセージ(「無料コンサル申込み」「デモンストレーションムービー」など、次の行動に移ってもらうボタンを適切な位置に配置し、キャッチーなメッセージで誘い込む)

■必要な人材とは

<人材としての属性>
◇デジタルシチズン(デジタルスキルの高い人材)
◇分析専門家(分析することが好きで、分析スキルの高い人材)
◇Webでのリーチを広げられる情報強者(ソーシャルメディアを駆使し、Web上でのインフルエンサー(影響力を持つ者)となっている人材)
◇コンテンツ・クリエーター(優れたコンテンツを創り出せる人材)

<メンタル・人間性>
◇エネルギー:エネルギッシュで、とにかく前進する者
◇エネルカイザ−:ビジョンを示し、人々にやる気を起こさせ、それをやり遂げさせる者
◇エッジ:難しい意思決定を行うノウハウを持つ者。タフで、困難というものを認めない者
◇エクセキューション:実行力のある者(行動と生産性が同じではないことを理解し、エネルギーとエッジの行動を成果に結び付けられる)

インバウンド・マーケティング」へ


活動レポート】 マーケティング読書会 見つけてもらうマーケティング 『インバウンド・マーケティング(ブライアン・ハリガン他著)』
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マーケティング3.0の時代へ [Marketing]

 フィリップ・コトラ−教授「マーケティング3.0」のまとめです。



 そもそも「マーケティング」とは何? で、どういうものでしょうか。

[マーケティングの定義]
 マーケティング=売れるための仕組みづくり

 「マーケティング」とは、消費者、顧客、パートナー、社会全体にとって「価値のある提供物」を創造、伝達、流通、交換するための活動、一連の制度、プロセスを言います。
 まさしく「ビジネス活動」そのものですね。

 マーケティングのコンセプトは、マクロ経済の状況に対応しますので、経済環境が変われば、顧客の行動も変わり、マーケティングも変遷していくのは当然のこととなります。
 過去60年間のマーケティングの考え方の変遷は製品中心から顧客中心という流れでした。

 コトラー教授は、マーケティングの目的が、次のように変化してきたとしています。

マーケティング1.0 どのようにして販売するか?
マーケティング2.0 どのように顧客に継続購入してもらうか?
マーケティング3.0 どのように生活者に(製品開発や販売などに)協力してもらうか?

 「マーケティング1.0」は「製品中心」の考え方で、製品マネジメントのためのプロダクト、プライス、プレイス、プロモーションの4Pをひたすら追求すれば良い時代でした。

 マーティング1.0時代の象徴である「マーケティング・ミックス」の4P = 商品(Product)を改良し、適性価格(Price)を検討し、流通・販売場所(Place)を経由して、商品の広告・宣伝(Promotion)という考え方です。

 「マーケティング2.0」は「顧客中心」の考え方で、そこで重視されていたのがSTP = 利用者の属性をセグメンテーション(Segmanetation)で切り分け、顧客ターゲットを明確化(Targeting)し、(競合他社と自社との)ポジショニング(Positioning)を定めるというものです。

 ここでは、新しい利用者を見つけるより、常連客に続けて買ってもらう、つまり単発の商売ではなく、継続的に買ってもらう価値(Life Time Value)の大切さを重視します。

 この考え方は、マーケティング2.0の後期、CRM(Customer Relationship Management)の基礎となり、「顧客中心」「顧客満足度の向上」「顧客第一主義」へとつながっていきます。

 「マーケティング3.0」では、それらに「企業の収益性と社会的責任を両立させるマーケティング」が加わります。

 特に、グローバル市場で展開する企業や社会的影響力の強い企業は、収益だけを考えた今までのマーケティング発想だと、どうしても行き詰まり、今の[ものが売れない]経済状況に陥っていきます。

 製品・サービスの社会的価値や企業ビジョンを提示する発想が、マーケティングに求められる時代になってきました。

 時代の変遷とともに、市場が企業や商品サービスに求めるレベルが高まり、そのためにマーケティングの対象とするレベルも、より高次の層にシフトしている、する必要があるということになります。

 今の生活者は、ソーシャルメディアの発達により、強力な情報交換手段を手に入れ、賢い消費者となり、作り手のウソや過剰宣伝にはダマされない存在になりました。

 さらに価格や品質についても、比較・検討が容易になり、消費者の方が情報強者になるという大変革、パラダイムシフトが起きました。

 「安くしても売れない」「高くても(その価値が認められれば)売れる」という、まさしく、消費者が市場をリードする時代の到来です。

 「マーケティング3.0」に突入した今日では、質が悪い、高過ぎるなど、利用者に受け入れられない企業はすぐに噂になって淘汰され、信用できない作り手や、公害を大量に出して近隣住人に迷惑をかけていたメーカーも見放されます。

 では、いかにすれば企業は生活者からポジティプな協力を得られるでしょうか。
 マーケティング3.0時代の具体的な重点施策は、「生活者に共感してもらえる企業になる」「ソーシャルメディア上で共感される企業になる」ことだと。

 そのためには、生活者とともに、有益な商品・サービスを考え、実践する「協働マーケティング」、文化的な貢献、価値を高める「文化マーケティング」が必要ということになります。

 さらに今の消費者は、自発的に世界をより良い場所にしようという活動に参画し、自分たちの課題・問題を解決しようとします。
 製品やサービスも、このようなマインド・ハート・精神を基準にして選ばれるようになります。

 そのため、マーケティング3.0においては、信頼関係や感情的な結びつきといった関係を構築する「スピリチュアル・マーケティング」も同様に重視されます。

 マーケティング3.0で求められるのは、消費者をコントロールすることではなく、むしろ消費者との協働によって消費を含めたあらゆる人間活動の高みを目指し、世界をよりよい場所にして行くという姿勢・心意気、スピリットです。

 以上の事柄を自分なりにまとめたのが、次の図式です。
マーケティング3.0 へ.png
マーケティング3.0のコンセプト.png

コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則


【活動レポート】 マーケティング読書会 ソーシャル時代のマーケティング『コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則(フィリップ・コトラー著)』
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