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Googleの的確な買収戦略(後編) [Google考察]

第10回

 2006年11月1日、企業向けWiki(ウィキ)システムのJotSpotを買収。

 JotSpotは,米Exciteの共同設立者のKraus氏とGraham Spencer氏が、Excite退社後、立ち上げた企業で、wikiベースのカレンダ、スプレッドシート、バグ追跡といったアプリケーションを提供している。

 Googleの既存サービス「Google Calender」「Google Spread Sheet」への技術導入、強化策が想像されるところ。

 Wikiベースであるということは、他ユーザーと共同の編集作業ができるってことなんで、カレンダーはもちろん、「Google Spread Sheet」が共同編集できるようになったりするかもしれないと。

 そうなると、またアイデアあふれる人が、思わぬ新たな活用法を見出したり、いろいろな利用法が編み出されたりして、Webベースの新事業が誕生してくるのかも。

[DoubleClick約31億ドル買収]

 2007年04月14日、オンライン広告配信のDoubleClickを、なんと約31億ドル(約3,600億円)の現金小切手で買収。

 Googleのエリック・シュミット CEOは、「この買収により、ディスプレイ広告における Googleの革新的な進歩(技術)の普及が加速されるだろう」とコメント。

 Googleはこれまでリスティング広告(検索連動型広告)には強かったけど、ディスプレイ広告はイマイチだったと。

 DoubleClickは、ディスプレイ広告(いわゆる「バナー広告」)において、広告主がコンテンツサイトに広告枠を得るための仲介をし、その広告の効果の測定までを行う技術と広告配信システムを持ってる会社。

 Googleは、DoubleClickを買収することで、Googleがバナー広告を販売し、DoubleClickがその広告を配信するという、相互補完しながら、ディスプレイ広告を強化していこうということのよう。

 さらに、DoubleClickが所有する代理店や媒体主に対する専門的なノウハウも手に入れながら、Googleの技術を融合させることで、オンライン広告効果の効率化と、次世代のより革新的な広告提供技術を目指した新しいサービスの創出を狙っているという。

 Googleはすべての広告市場を席巻しようと目論んでいるかのよう。

[ゲーム市場へも広告参入]

 3月19日には、ゲーム内で広告を配信する技術を持つ米Adscape Mediaを買収。

 Adscape Mediaの技術は、ゲームのストーリーに沿った形で動的に広告を提供するもので、これがよりインタラクティブな広告を提供すると。

 ゲーマーをターゲットにした広告配信プラットフォーム、広告主のためのレポートツールなど、Google方式に類似したシステムを作ってるんで、Google AdWords/AdSenseに組み込んでいくことは、間違いないでしょう。

 Adscapeの開発チームは、そのままGoogleの開発チームへと合流し、一緒に開発を進めていくそう。

[RSSへも進出]

 6月1日には、RSS(フィード)マネージメントの米FeedBurnerを買収。

 FeedBurnerは、RSS配信の特徴を活かした広告ネットワークを構築し、ブロガーやポッドキャスター、パブリッシャーに対して、RSS配信の効果や効率性を高める分析・管理ツールを提供してきたと。

 Googleの買収発表時のコメントは「ユーザー、広告主、パブリッシャーに対してサービスの価値を高める上で、フィード・ベースのコンテンツおよび広告は有望な開拓分野である」と。

 FeedBurnerのテクノロジをGoogleのツールに統合することで、さらに広告効果を高め、 Googleの広告プラットフォームを充実させ、分析ツールをブラッシュアップしようというものなのでしょう。

 その4日後には、米Salesforce.comと戦略的提携の合意に達したと発表。あきれるほどのスピード展開で。

 Salesforce.comはビジネスアプリケーションをオンデマンドで提供する「SaaS(Software as a Service)」の草分け的存在で、SalesforceのオンデマンドCRMアプリケーションとGoogleの広告配信プログラム「AdWords」を統合した「Salesforce Group Edition featuring Google AdWords」を世界的に提供するという。

 広告主の企業規模にかかわらず、効率的に顧客獲得の機会を拡大できるとしており、例えばWebセミナーや製品資料のオンライン提供時の会員登録などで取得した”見込み顧客”の情報を、直接Salesforceに登録できるようになって。

 Salesforceに登録した”見込み顧客”情報を管理・共有化して、セミナー部隊、プレゼン部隊、営業チームなどが連携して、見込み客へ効果的なアプローチを行うことを実現するという。

 両社の提携関係は、世界43か国を通じた販売、技術協力、共同マーケティングに及ぶと。

 ”見込み顧客”まで狙うなんて...Googleはどこまでいくのでしょう。


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