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Googleの的確な買収戦略(中編) [Google考察]

第9回

 Googleの的確な買収戦略(中編)

 爆発的な売上拡大、Google AdSense会員の増大に伴う支援強化策のように、2005年3月、Urchin Softwareを買収して、Google Analyticsをスタート。

 2005年5月、モバイルSNS(携帯向けソーシャル・ネットワーキング・サービス)のDodgeball.comを買収して、PCベースから携帯電話などのモバイル端末への展開へ。

 これは同時に、固定地点における検索サービスから、ロケーションベースの携帯広告にエクスパンドすることを意味してて。

 全米22の都市をカバーするDodgeballによって、登録ユーザのロケーションがセンターに送られると、その場所に適した広告を送信すると。「今あなたが歩いている通りの先に、おいしいコーヒーショップがありますよ。」と。

 雨が降ってきたら、「右に曲がったところに傘を売っています。」と。

 場所、日時、天気などによって変化する、さらに先進的なターゲット広告をめざして。Googleはすでにサンフランシスコで実証実験を開始。

 2005年7月には、ブラジルの検索技術会社「Akwan Information Technologies」を買収し、ラテンアメリカにおけるGoogleの研究開発センターにすると発表。

 Googleの世界マーケットへの進出方法も、進出スピードと浸透スピードを優先した、的確な地元企業の買収戦略であることが読み取れて。

 その後まもなく、日本の携帯電話にも進出し、確実にシェアを伸ばしている。

 2005年8月には、続けて携帯用のソフト開発会社Androidを買収。

[ラジオ広告への進出]

 2006年1月、今度はラジオ広告への進出を図り、dMarc Broadcastingを買収。

 この買収によって、広告主とラジオ局を自動的に直接結びつける広告プラットフォームを取得。

 dMarcが提供しているHD Radio放送は、FMでCD並みのデジタルサウンドを提供できるほか、信号にテキストデータを乗せて同時に送信できると。

 HD Radio化することで、互換レシーバーにアーティスト名や曲名を表示させたり、広告に利用することが可能となって。

 つまり、特にローカルのラジオ局にとって新たな収入源と期待されているHD Radioを取得することで、AdWordsをラジオに拡大し、ラジオ広告の新時代を築こうというもの。

 2006年2月、ブログ分析サービス「Measure Map」事業を米Adaptive Pathから買収。

 Adaptive Path社設立者であり、Measure Map部門製品担当ディレクタであるJeffrey Veen氏と数人のMeasure MapスタッフをGoogleへ移籍という手法。

 Measure Mapは、ブログへの訪問者とその行動(コメント投稿やトラックバックなど)を分析・集計し、リンク元などを追跡するシステムで、Google Analyticsのブログ版という感じ。

 Veen氏はインタビューに答えて「Measure Mapは、Web分析の力を用いて、ブロガーが読者とつながっていることを感じられるよう支援する。Google社を通じてより多くのブロガーに Measure Mapを提供し、ブログに親しみを持ち、ブログをもっと活用するユーザーがいっそう増えることを期待している」と述べた。

 2006年は、1月から毎月、企業買収を連続し、3月には、Upstartleの「Writely」の開発チームを買収。Webオンライン上における「Word」を実現へ。

 2006年10月9日、GoogleがYouTubeを16億5000万ドル(約1950億円)で買収。また、YouTubeを買収した後も「Google Video」、「YouTube」の名称を変えないと発表。

 このニュースが駆け巡ったとき、「なんで、GoogleがYouTubeを巨額で買収したのかさっぱりわからない」という論調が飛び交って。

 こういう批評は、自ら「私には思考力がありません」と宣言・宣伝しているようなもんでしょう。

 必ず理由があるはずなんで、GoogleがなぜYouTubeを巨額買収したのかという理由を少し考えてみましょう。

[GoogleのYouTube戦略]

 Googleには世界最高と思われる広告システムがあるので、それをさらに拡大利用していくことが、Googleをさらに拡大していくことになるので、携帯電話、ラジオときて、今度は動画へというのは自然な流れでしょう。

 Googleは、いずれYouTubeの全ユーザに対して、YouTubeサイトで行っていることのすべて事象から事業を築こうとするだろうから、その事業規模が、約1950億円に見合うと判断したということなわけで。

 そこには、動画は今後、インターネットにおける新たな種類のメディアのうち最も重要なものの1つになっていくだろうという判断もあったはずで。

 ますます多くの人が、アイディアを伝えたり、思い出を記録したりするのに動画を利用するようになっていくと。

 企業ベースで考えれば、既存のテレビ番組などの多くも、結局はインターネットで見られるようになり、製品を売ったり、新たなコンテンツを作るために、企業はAdsense、Adwordを利用して収益を上げるだろうと。

 Googleは、そうしたパートナー企業すべてに対して、「YouTubeと提携すれば、Googleの広告システムとそちらのコンテンツを組み合わせて、はるかに多くの視聴者を獲得することができますよ」とアピールしてくるのでしょう。

 実際に、この手法で、1兆円に迫る売上を上げてきたのだから。

 数年後には、この2千億円弱の投資によって、年間1兆円の売上をあげてるのかもしれない。

 そんなことになったら「Googleついに、年間売上2兆円突破!」なんていうニュースが流れているのかも。


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