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カント『純粋理性批判』まとめ [Essey]

 カントの『純粋理性批判』のまとめです。
 21世紀の現代においても、相変わらず深い命題ですね。
 繰り返し、自分の中に、改めてインプットし直したくなるテーマです。
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 『純粋理性批判』は、17世紀ドイツの哲学者のイマヌエル・カントによる著作で、1781年に発表。

 カントは、私たちの「認識可能な領域」の限界線をハッキリさせることで、普遍的な認識、つまり「共通了解がどこまで可能であるか」を明らかにしようとした。

 その意味で「批判」とは、徹底的な「吟味」のことを指している。

 「先験的理念」は、超越的であって、一切の「経験の限界」を超出する。
 よって、これらの理念に「完全に合致するような対象」は、「経験では決して現われ得ない」のである。

 「世界に始まりはあるか?」または「終わりはあるか?」は、一見、どちらが正しい命題であるかを判断するのは難しいが、カントは、

1.正命題 世界は時間的な始まりをもち、また空間的にも限界を有する。

2.反命題 世界は時間的な始まりを持たないし、また空間的にも限界を持たない、即ち世界は時間的にも空間的にも無限である。

は、ともに等しい妥当性を持つとする。

 つまりカントは、「世界に始まりと終わりがある」という命題と、「始まりも終わりもない」という命題は互角に成立してしまうため、「世界に始まりと終わりのどちらがあるのか」を判断することはできない、とする。

 「世界には始まりがあり、限界がある」という命題と、「世界には始まりがなく、限界がない」という命題は、どちらも等しく成立する。
 したがって世界の始まりと限界を決定することは、原理的に不可能である。

 「世界の全体はこうなっている」とドンと示されると、いいね!と賛同する人もいれば、そんなの分かりっこない!とシニカルな態度を取る人もいる。

 正命題と反命題は、たとえ同じ妥当性を持っていても、どちらを選ぶかについては心理的な要因が大きく影響している。


出典「カント『純粋理性批判』を解読する」
https://www.philosophyguides.org/decoding/decoding-of-kant-kritik-reinen-vernunft/
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